北海道が抱えている地域医療の問題点

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日本の中でも群を抜いた面積の広さを持つ北海道。その面積は日本の総面積の約2割にあたります。また、魅力的な都道府県でも全国1位になっており、国内外を問わず多くの観光客が訪れる都市です。ですが、そんな北海道にも医療問題は存在します。

他県と同じように取りざたされるのは「医師の偏在」の問題。中心地である札幌周辺の病院だと医師の数は十分なのですが、郊外においては医師不足が切実な問題となっています。また北海道は土地が広大なあまり、高度な医療を受けられる環境が整っていない地域も数多く存在します。専門科ではなく総合内科、総合外科といった形で幅広く対応している病院が多く見られ、処置できない症状に関しては最寄りの大学病院や大型病院に搬送されます。本当の病状が分かるまでたらい回しにされてしまうと、患者さん側としては不安に思うこともあるのではないでしょうか。

こういった状況を打破するべく、北海道でも郊外での医師求人を増やして医師の偏在がなくなるように動き始めています。ですが、ただ求人数を増やしただけでは医師がなかなか集まりません。そのため、待遇をよくしたり労働環境を改善したりとさまざまな策を講じています。こちらに掲載されている北海道の医師求人特集を見ても分かる通り、郊外になるほど待遇もよくなる傾向にあります。どの地域でも平等にいい医療を受けられる体制を整えるためにも、こういった動きは大事になってくるでしょう。

また広大すぎる土地と積雪により、緊急性を要する患者さんに対して使う救急車も北海道に住んでいる人たちすべてをカバーすることができません。そのため緊急のケースに対応できるよう、北海道ではドクターヘリの整備が進められています。ドクターヘリが日本に正式に配置されたのは2001年4月のこと。今では各都道府県に最低1機は導入されており、将来的には日本全国で80機の導入をめざしています。

雪原を飛ぶヘリコプター

2017年現在、北海道には日本でも1番多い4機のドクターヘリが導入されています。札幌、釧路、旭川、道南のエリアに導入され、北海道の広大な土地をカバーできる状態にはなりました。とはいえ、まだまだ完璧とは言い切れない状況です。ニーズ次第では、この先もより多くのドクターヘリが導入されることでしょう。